パブリックスピーキングを成功させる聴き手目線の話し方

「今度のセミナーで喋ってくれませんか」「次のプレゼン、頼んだよ」自分が身を置く分野の中でキャリアを積んでいくと、プレゼンや講演の機会が増えてきます。しかも聴衆は大きくなる一方!大勢の人の前で話すパブリックスピーキングは影響力のあるビジネスパーソンにとって避けては通れないものです。

It’s not what you say but how you say it.
伝え方が全てだ。伝える内容じゃない。

英語にはこんなことわざがあります。開始早々、一瞬で聴衆を味方につけるスピーカーを見たことはありますか?パブリックスピーキングが得意な人を見ると、間違いなく伝え方の重要性を熟知していることがわかります。

今回は上手いパブリックスピーキングの「伝え方」の部分を要素分解してご紹介します。要素のひとつひとつを自分の今のスピーキングスタイルと照らし合わせて、改善の余地を洗い出しましょう。

【目次】

  1. 聴き手目線で組み立てる
    1-1. テーマを聴き手の身近な存在に
    1-1-1. パターンA: 聴衆に当事者意識を持ってもらう
    1-1-2. パターン B: 比喩を用いる
    1-2. 結論を先に
    1-3. 二部・三部構成に
    1-4. 具体例を添える
  2.  聴き手目線で喋り方を考える
    2-1. 聴き手は誰?
    2-2. 聴き手目線の立ち振る舞いチェックリスト
  3. まとめ

 

1. 聴き手目線で話を組み立てる

「あのお店いつも混んでいるんだよね」というお店を思い浮かべてみてください。

上手いパブリックスピーキングは大繁盛のお店に似ています。お店が繁盛するのはお客の目線に立って店やサービスの構造がきちんと考えられているから。パブリックスピーキングが成功するのは聴き手の目線に立って話や話し方が考えられているから。このような比喩を通して起承転結とは違った、話の上手い組み立て方をお伝えします。

1-1. テーマを聴き手の身近な存在にする「つかみ」

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重要性が注目されてきたとは言え、パブリックスピーキングは毎日目にするものではありませんよね。話に傾聴してもらいたいのなら、多くの聴き手がテーマに親近感を持てるような工夫が必要です。講演の導入部分に「つかみ」の役割を持たせるための主な手法はふたつです。

 

1-1-1. パターンA: 聴衆に当事者意識を持ってもらう

聴衆に挙手させることによって、講演を一方通行のものから参加型に変えます。これにより聴き手は講演内容を当事者として聴くことができるようになります。この手法が言語を問わずできることを表すために、例を日本語と英語の2言語で聴いてみましょう。

「みなさんに質問です。あまりにも面白くて気づいたら終わっているような授業をする学校の先生に出会ったことがある方、手をあげてください。数名いらっしゃいますね。では授業があまりにもつまらなくて起きていること自体が不可能な授業をする学校の先生はどうですか?あ、ほとんどの方。もし学校の先生になったとしたら、できることなら前者の面白い授業をする先生になりたいですよね。なぜこの質問をしたかと言うと、パブリックスピーキングの技術は、簡単に言うと面白い授業ができるようになるための技術だからです」

 

I have a little question for all of you. Those of you who have met a school teacher whose class was so fun that it was over when you realized, please raise your hand. OK I see a few hands. Then how about those of you who have met a school teacher whose class was so boring it was just impossible to stay awake? Most of you. Wow. Now, if you were a school teacher, I think you would want to be the former: the teacher who’s good at teaching, right? The reason I asked this question is because the art of public speaking, simply put, is the art of giving a fun lecture.

 

1-1-2. パターンB:: 比喩を用いる

たとえ講演のテーマが難しくても、初めに親しみのあるテーマに置き換えて話すことで、「なるほど」と思えるタイミングを講演の序盤に持ってくることができます。聴衆が話の続きを聴くモチベーションにつながります。例を聴いてみましょう。

「ショッピングに行く時、中の様子がよく見えなくて入りにくいお店、ありますよね。逆にガラス張りで、中で他のお客さんが楽しそうに店内を見て回っているのが見えるお店にはつい入っていってしまいますよね。実は上手く行かないスピーチと上手く行くスピーチの違いは、これらと似ています。最初にきちんと、話の内容を聴き手に明確にしましょう」

 

You know there are shops that you just can’t see inside and that makes you hesitate to go in. And yet there are other stores that you get sucked in because you see other people happily shopping inside. In fact, this difference is close to the difference between a good speech and a bad speech. It is important to clarify the content of your speech at the very beginning.

 

一見遠回りのようですが、テーマと聴衆の距離を縮めることで講演に傾聴する動機付けができるので大変重要です。

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1-2. 結論を先に

スナックに入ったことはありますか?

私は残念ながらありません。看板からスナックだということはわかっても、中の様子が全く見られない窓無しの重厚な扉を開ける勇気は私にはありません。もちろん、スナックが営業を続けられるのは、そういった勇気がある人、外界から遮断された空間が好きな人や、口コミで来る人がいるからなのでしょう。

でももしスナックがより多くの人を引き込みたいと考えたら、万人に受け入れられる店構えにする必要がありますよね。「このお店ではなにが得られるの?」が一目でわかれば、ニーズが合致した通行人が入店してくれます。パブリックスピーキングに置き換えると:

・通行人=聴衆
・お店の看板=講演のテーマ
・商品が並ぶショーウィンドウ=講演の結論
・入店してくれる人=ちゃんと聴いてくれる人

お店の看板もショーウィンドウもないアパレル店にはフラッと入りにくいですよね?通行人に入店する義務がないのと同じように、聴衆に講演者の話を聴く義務はありません!

だから話の本題に入る前に、「講演から得られる学び」の事前のコミュニケーションが大事です。聴衆は講演のテーマだけではなく、この話を聴いたらどうなるかが分かるように結論を先に聞けた方が、傾聴するモチベーションが生まれやすくなります。もちろん、講演の最後に同じ結論が再び出てくれば、収まりが良い印象にもつながります。

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1-3. 二部・三部構成に

映画ロード・オブ・ザ・リングを見たことはありますか?

3時間にも及ぶ映画が3作品連なり、壮大な3部作として公開当時大人気を博しました。原作の小説も3部作になっており、シリーズ合計1億5000万部以上売れている大ヒット作です。原作シリーズは映画以上のボリュームになっていて、一冊 300-400ページ、合計英字数48万文字以上という超大作です。この記事でこれまで出て来た英文の文字数170字を2830回読むと、ロード・オブ・ザ・リングの文字数に到達します。

さて、このロード・オブ・ザ・リングがもしひとつながりの9時間の映画だったとしたら。1000ページ以上の本だったとしたら、1億5000万部も売れたでしょうか?どんなに面白い小説だったとしても、視聴者・読み手の集中力にも限界がありますよね。

興味や理解度を高く保つためには、やはり区切りが必要です。講演も大きく2部、もしくは3部に区切ることで、聴衆はベストの状態で傾聴することができます。

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1-4. 具体例を添える

ここでまた質問です。ネット上で読みたいニュースを探しているとします。以下のうち、どちらの表題の記事をより読もうと思いますか?

1. 乳製品価格高騰も需要衰えず
2. バターが平均50円値上がり。我が家の朝食がピンチ!

Aのようにものごとを抽象的に捉えた「概念」の情報に興味を引かれる人もいれば、Bのように具体的に説明する「個」の情報に引かれる人もいます。2部、または3部に分けた話の内容に具体例が盛り込まれていれば、どちらのタイプの人もよく理解できる講演になります。抽象的な説明で終わらず、具体例も入れ込んだ例を聴いてみましょう。

同じ主旨の本が二冊あったら、読んでいて面白い方を選びますよね?パブリックスピーキングではユーモアを取り入れることも大変重要です。でもそんなことを言われてもどんなジョークが聴衆にウケるかなんてわかりませんよね。鉄板のジョークが出来上がるまで、試しては、反応を見て、改善。この繰り返しです。たとえば生まれて初めてスピーチをした時の自分の声の小ささについて冗談を言う時、最初は「蚊のような小さな声で喋っていました」と言っていましたが、ご想像の通り、それでは笑いが起こりませんでした。最終的にたどりついたのは「うちのおばあちゃんの方が大きい声出るよ!」でした。クスクス笑う声がちらほら聞こえてくるようになったので、このセリフを毎回使っています。 

 

If there were two books that said the same idea, you would pick the one that you could enjoy reading more, wouldn’t you? Humor is very important in public speaking, too. But having said that, it’s difficult to tell what jokes really work. So what you need to do is trial and error and refining, and you repeat this as many times as necessary. For instance, when I was talking about how small my voice was when I first started giving speeches, at first, I was saying something like “My voice was as small as a mosquito.” As you can imagine, there was no laughter then. It finally came down to saying “My grandmother speaks louder than you!” Then I started hearing little snickers here and there, so I use the line every time.

 

抽象的な説明は小難しく硬い印象になりがちですが、具体的な例は逆に作用します。

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2. 聴き手目線で喋り方を考える

これで伝え方の大枠は決まりました。今度は喋る言葉のひとつひとつに意識を持っていきます。まずは次の質問に答えてみてください。

2-1. 聴き手は誰?

これから前に立って話す聴衆を思い浮かべてみてください。

学生だったり、これから就職を迎える新卒業生だったり、会社の同僚だったり、社外の人間だったり、全くの見ず知らずの人たちだったりと、聴き手によって効果的な喋り口調や例が変わってきますよね。話の中身は変えなくてもいいので、喋り方や使う表現に気を配ると、より効果的なパブリックスピーキングになります。

いくら自分の日本語がきれいで落ち着いた口調で話せたとしても、その喋り方が必ずしも正解だとは限りません。目の前にいる聴衆になにかを伝えるのが目的なら、彼らにとって解かりやすい言葉遣いや彼らに響く喋り口調を心がけるべきです。聴衆は時間を割いてあなたの話を聴いてくれるのですから、あなたも聴衆に歩み寄ることが礼儀です。

2-2. 聴き手目線の立ち振る舞いチェックリスト

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以下に効果的な喋り方の要素をリストアップしました。すでに出来ている項目をチェックして、出来ていない項目を改善していきましょう。

 

☑ 声は大きく元気よく

声が小さいと、聞き取ろうとすることに労力がかかってしまって、理解に集中できません。会場の反対側の壁まで届く音量で話しましょう。

☑ 速すぎず、遅すぎず、緩急をつけて

30分間の講演でも90分間の講演でも、長時間に渡って速すぎる喋りや遅すぎる喋りについていこうとすると、ストレスにつながります。また、ずっと一本調子だと、飽きがきます。これまで出て来た例文は、日本語と英語共に緩急をつけて話しています。重要なことを言う前に溜めたり、感情を声の音程の上下で表したりしているので、参考にしてみてください。

☑ 文は短く、シンプルに

講演中、全ての文をシンプルにまとめるのは至難の業です。しかし一番重要な点だけでも簡潔に述べて、その直後に間を空ける、といった喋り方をすると、聴き手側に伝えたいメッセージが浸透しやすくなります。

☑ 専門用語・略語は避ける

自分と自分の周りが理解できるからと言って、聴衆が聞き慣れない専門用語や略語を次々と使ってしまうと、理解を諦められてしまいます。たとえば、新社会人に「アウトバンドコールからのCVRを上げていく必要がある」などとマーケティング用語を多用してしまうと、聴き手は理解に苦しみます。「こちらからかけた営業電話で成約に至る割合を上げていく必要がある」などと、誰でもわかる言葉で説明すると不必要な混乱を避けられます。

☑ 聴き手とアイコンタクトを取る

講演中ずっと演台の後ろに隠れて原稿に目を落としている人にカリスマも本気も感じませんよね。聴衆の中から、誰でもいいので目を合わせてくれる人を探して、見つめながら重要な点を言ってみましょう。そのために歩き回るのもいいでしょう。周りの他の聴き手は「次は自分かもしれない」と思い、一生懸命聴いてくれるようになります。

☑ 背筋を伸ばして、大きなジェスチャーを交えて、自信を示す

伝えようとしていることに対して自信を持っていなければ、大きな動作は取れませんよね?フィギュアスケートやダンスにおいて演者の動作が大きく滑らかだと優雅に見えますよね。見ている側は、きっと自信があるのだろう、と捉えます。講演者も同じように、姿勢がよく、ジェスチャーも大きければ自信があるように映り、説得力が増します。

3. まとめ

いかがでしたか?パブリックスピーキングを成功させるイメージができましたか?

自分はそんな自信ありげに喋れないと思っているかもしれませんが、私は根がシャイな人ほどパブリックスピーキングが上手くなる素質があると考えています。なぜなら、自信満々で人前に出られる人に憧れて、客観的に観察しているはずだからです。自分にないものと憧れの人にあるもののギャップはすでにわかっているはずです。それらのギャップはひとつずつ埋めていくことができます。最後には、人前でのスピーチが苦手な人の気持ちがわかるスピーチの達人が誕生します。

今は苦手でも慣れさえすれば強力な武器になるので、是非場数を踏んで、パブリックスピーキングを特訓してみてください。

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